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「下岡田官衙」国史跡に、広島県府中町の奈良期行政施設跡 松江の嫁ケ島は登録記念物

2020/11/20 22:56
広島県府中町教委による下岡田官衙遺跡の発掘調査(2017年11月、町教委提供)

広島県府中町教委による下岡田官衙遺跡の発掘調査(2017年11月、町教委提供)

 国の文化審議会による20日の答申で、中国地方では広島県府中町にある「下岡田官衙(かんが)遺跡」が史跡に指定される見通しとなった。奈良時代に古代山陽道沿いへ置かれた行政施設跡とみられ、交通網や物流を知る上で貴重な手掛かりと評価された。松江市の「嫁ケ島」は登録記念物で、宇部市の「瑞松庵(ずいしょうあん)山門」は登録有形文化財(建造物)で入った。

 下岡田官衙遺跡は公務で旅をする役人が馬を乗り継ぐ施設「安芸駅家(あきのうまや)」跡の可能性が高いとされる。指定対象は約3600平方メートルで、行政施設「官衙」とみられる奈良時代の礎石のある瓦ぶきの建物2棟や、井戸の遺構がある。

 安芸国分寺跡(東広島市)など同時代の施設と同じ特徴を持つ瓦や、県北部の地名「高田郡」を記した木簡も出土している。陸の大動脈だった山陽道の交通史を知る上で重要と指摘された。

 嫁ケ島は宍道湖に浮かぶ東西約110メートル、南北約30メートル、広さ約2650平方メートルの島。1200万年前の火山活動で噴出した黒色玄武岩ででき、水中を含む約2万9800平方メートルが対象となる。

 出雲国風土記(733年)では「蚊島(かしま)」と記されているが、しゅうとめにいじめられた嫁の悲劇を島の成り立ちとする伝説にちなんだ呼び方が定着した。古代から知られ、近代以降に修景を重ねて夕日を背景に島影が浮かぶ名勝地として親しまれてきた点が評価された。

 瑞松庵は1417年に開かれた曹洞宗の寺で、山門は入り母屋造りの楼門。ほかに、史跡の出雲国山陰道跡(出雲市)と米子城跡(米子市)、名勝で史跡の鳥取県三朝町の三徳山で一部が追加指定される。(松本大典、赤江裕紀、石井雄一)

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