にぎわう観光地、困惑の声 GoTo見直し、3連休初日の広島県内 宿泊事業者ら「年末年始が心配」【動画】
新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、急きょ見直しが決まった「Go To トラベル」。3連休初日の21日、紅葉シーズンでにぎわう広島県内の観光地では、政府の後手の対応に「もっと早く対応すべきだったのでは」と困惑の声が上がった。旅館関係者には、年末年始の旅行客の減少の懸念も広がりつつある。
この日、世界遺産の島・宮島(廿日市市)に向かうフェリーはデッキまで人があふれ、昼時の商店街は人波で前に進めないほど。東京から家族で訪れた会社員篠宮尚美さん(38)は「こんなに混雑しているとは。第3波が怖いと思ったが、キャンセル料がかかるため思い切って旅行にきました。『密』にならないよう気を付けます」。
大阪市から友人と訪れた会社員男性(26)は「政府はもっと早く見直すべきだったのでは。また全国で感染が広がらないか心配。見直しが早ければ自分も旅行をキャンセルしていたかもしれない」と話す。
JR西日本広島支社によると、山陽新幹線は午前に自由席が満席になるなど混み合った。原爆資料館(広島市中区)も入館希望者が多く、午後3時ごろには同6時までの整理券がなくなった。
東京から平和記念公園へ娘と訪れた会社員赤倉優風さん(26)は、「ずっと祖母にひ孫を会わせることができなかったので来た。タイミングが悪くなってしまったけれど、マスクの着用や手洗いなど気を付けたい」と気を引き締めていた。
宿泊事業者からは複雑な思いが漏れ聞こえる。宮島のホテル「みや離宮」の土居裕明支配人(63)は「Go Toの見直しは仕方ないのかもしれない。ただようやく観光客が戻りつつあった中で残念。自粛ムードが広がり年末年始の予約に影響しなければいいが」と心配していた。(東海右佐衛門直柄、秋吉正哉)
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