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91歳バラ育種家、新種が金・銀賞 廿日市市の被爆者田頭さん

2020/11/24 20:59
「フレグランス・ペルシカ」を手入れする田頭さん

「フレグランス・ペルシカ」を手入れする田頭さん

 廿日市市のバラ育種家で被爆者の田頭数蔵さん(91)が開発した新種「フレグランス・ペルシカ」が、国内有数の二つの品評会で上位に入賞した。咲き進むにつれて色が変わり、香り高いのが特長。原爆投下で焼け野原となった広島でバラに魅了され、約66年も栽培に精魂を傾けてきた。「今後も多くの人に愛されるバラを育てたい」と意気込む。

 フレグランス・ペルシカは、咲き進むと花の中央部分が赤紫から紫へ、花弁も白から薄いピンクへと変化する。また蜂蜜や紅茶のような独特の甘い香りが長く続く。田頭さんは5年かけてこの新種を開発。「この花の色で香り高くしようと頑張りました」と語る。

 10月に「ぎふ国際ローズコンテスト」で最高位の金賞を受賞。同月の「国際香りのばら新品種コンクール」でも銀賞を取り、ダブル受賞となった。90歳を過ぎても開発を続ける人は極めて少ないという。

 田頭さんは16歳で原爆に遭った。建物疎開の作業に出掛けた弟は、それきり戻らなかった。その後、焼け跡のバラックで苦しい生活を送っていた時、近所の人が育てていたバラの美しさに心を奪われた。「焼け野原を花でいっぱいにしたい」。そう願い、25歳で現在の広島市安佐南区でバラ園を開業。40歳の時に現在の廿日市市友田で「広島バラ園」を開き、新種の開発を続けてきた。

 「年に3千粒の種を植えても、ものになるのは1粒あるかないか」。美しさや病気への耐性など新種の開発は困難を極める。しかし、バラの美しさをもっと知ってもらいたいと今も開発に力を入れる。

 フレグランス・ペルシカの苗は、同園の店頭やカタログ販売、インターネット通販「楽天市場」で購入できる。Tel0829(74)0121。(東海右佐衛門直柄)


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  • 咲き進むにつれ色が変わる「フレグランス・ペルシカ」

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