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憩いの水辺、樹木伐採に惜しむ声 広島の天満川で高潮対策工事

2020/11/24 21:48
太田川河川事務所が伐採を始めた天満川上流の緑地

太田川河川事務所が伐採を始めた天満川上流の緑地

 国土交通省太田川河川事務所(広島市中区)は24日、西区の天満川上流の緑地で、シダレヤナギやキョウチクトウなどの樹木の伐採を始めた。高潮対策として市中心部で進める堤防かさ上げ工事の一環。事務所は「できる限り残せるようにした」と理解を求めるが、広島デルタの水辺の緑がまた薄まる。

 今回の工事エリアは天満川西岸のうち中広中に近い長さ約160メートルで、現状と比べて1〜2メートル高い海抜5・3メートルの護岸をコンクリートブロックで築く。重機が出入りしたり、作業したりする場所を確保するため、主に川側に植わる高木8本や、低木を伐採する。ソメイヨシノやナンキンハゼなど7本は残すという。

 この日は朝から、ショベルカーが低木のツツジやシャリンバイを根こそぎ取り除いていった。工事は来年12月20日までで、その間、遊歩道は通行止めとなる。

 事務所は工事前の10月、周辺の住民に資料を配ったり説明会を開いたりした。伐採に関する意見はなかったとして「住民の了解は得ている」と説明する。

 秋の実りや紅葉に触れられる一帯は近くの市民の憩いの場となっている。愛犬を散歩させる主婦小森洋子さん(36)は「対策も必要だが、穏やかに過ごせる緑が次々になくなるのは寂しい」。雛元昭夫さん(85)は「切るのならもう一度植えてほしい」と願っていた。

 事務所によると市中心部の高潮対策事業では、天満川、本川、元安川、太田川放水路の計35キロで工事を計画する。うち33キロは今年3月末時点で完成するか着工し、樹木を伐採した箇所がある。天満川上流の西岸では、横川新橋と中広大橋の間で順次、工事エリアを広げる予定。東岸は2018年に工事を終えたという。(宮野史康)

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