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120年近い歴史の中で初めて女子受け入れへ 旧岩国藩主吉川家が設けた東京寄宿舎「岩陽学舎」

2020/11/26 22:01
女子学生の入居募集を始めた岩陽学舎の外観

女子学生の入居募集を始めた岩陽学舎の外観

 旧岩国藩主の吉川家が首都圏に進学した岩国市や周辺出身の男子学生のために設けた寄宿舎「岩陽学舎」(東京都大田区)が来春から、120年近くの歴史の中で初めて女子学生の入居を受け入れる。少子化などを背景に入居者が減る中、募集要項を大幅に改定した。

 学舎は1902年、上京する岩国の学生が安心して勉強できるよう、吉川家が所有地に設けたのが始まり。関東大震災で焼失するなど存続の危機に陥りながらも創設以来500人余りが巣立った。卒業生には漫画家の弘兼憲史さんをはじめ、企業経営者や大学教授たちが名を連ね、毎年1、2回は現役生を囲む会を開く。

 現在の学舎はJR大森駅近くの鉄筋4階建てワンルームマンション。6畳の洋室とキッチン、風呂、トイレを備えた30室と集会室などがある。公益財団法人が寄付を集めて運営し、家賃は相場の半額の3万1千〜3万4千円に抑えている。

 ただ、少子化や経済環境の悪化で地元で進学したがる人が増え、入居希望者が減った。現在は半室程度が空いているという。同法人理事会が入居者の裾野を広げようと1年余り議論し、男性に限っていた条件を女性にも開放すると決めた。女性の進学や社会進出が当たり前の時代に、男性に限定することへ疑問の声もあったという。

 募集エリアも従来の岩国・柳井両市と近郊から、山口県内の周南市以東の出身者に広げる。来春に入居する10人を来年3月12日まで募る。学舎の卒業生でもある同法人の伊藤進吾理事長(75)は「多くの卒業生は女子学生の入居と聞くと驚くと思う。学生時代に郷土出身者と素晴らしい出会いがあり、卒業後も絆を生かせるのが岩陽学舎。多くの人に応募してほしい」と呼び掛けている。桧山事務器内の岩国事務局Tel0827(22)2020。(永山啓一)



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  • 岩陽学舎内の集会室
  • 岩陽学舎内の居室

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