地域ニュース

「九本松」3本が枯死化 宮島の大願寺、伊藤博文が植えた口伝も

2020/11/26 21:13
松くい虫の被害で左側3本が枯れ始めた大願寺の「九本松」

松くい虫の被害で左側3本が枯れ始めた大願寺の「九本松」

 世界遺産の島・宮島の大願寺(廿日市市)にある市天然記念物のクロマツ「九本松」9本のうち3本が松くい虫の被害で枯れかかっている。根元から広がる姿が縁起がいいとされ、伊藤博文が植えたとの口伝も残るマツ。同寺は樹木医に相談して樹勢の回復を図っているが、数本は伐採しなければならない見通しだ。

 九本松は高さ18メートル。一つの根元から分かれた9本の幹が放射状に広がり、東西に9メートル、南北に8メートルも及ぶ立派な姿をしている。大願寺によると、9月に1本が枯れ始め、11月に入ってほかの2本も葉が赤茶に変色してきたという。

 これまでに樹木医が松くい虫の被害と断定。松枯れを防ぐ薬剤を注入しているが、3本の枯死化が進む。九本松を診た樹木医で、大信産業(尾道市)の村上幸弘執行役員(63)は「9本中8本で松くい虫の被害がみられる。薬剤の効果次第だが、葉が変色している3本は残念だが回復が難しいのではないか」とみる。

 同寺は近く、専門家たちと協議し今後の方針を決める。寺は厳島神社に隣接し、多くの観光客が訪れることから、数本を伐採し倒木などの危険性を取り除く可能性があるという。

 九本松は1973年、市天然記念物に指定されている。大願寺の平山真明住職(64)は「寺のシンボルのような存在で非常に残念。少しでも木を残したい。枯れた木を切った場合、左右のバランスが崩れて木に負担がかかるかもしれないため、できるだけいい方法を考えたい」と話している。(東海右佐衛門直柄)

 <クリック>松くい虫被害 マツノザイセンチュウという体長1ミリにも満たない線虫が松の樹体内に入って感染する。マツノマダラカミキリが松から松へと線虫を運び、被害がまん延する。枯れた松を放置しておくと被害が増えるため、切り倒して駆除するほか、薬剤を散布するなどの防除策が取られている。


この記事の写真

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

同じ日のニュースの記事
一覧