地域ニュース

【尾道百景 坂のまち】<文化住宅>関西のモダン 山手に(2003年7月2日掲載)

2020/11/30 18:09
山手では珍しい洋風の家並み。今も一帯の住民に親しまれている

山手では珍しい洋風の家並み。今も一帯の住民に親しまれている

 JR尾道駅から千光寺山を見上げると、一角に、一風変わった建物群があることに気付く。台形状になった屋根を目印に、傘の幅ほどしかない道を上っていくと、外向けに両開きになる木製窓や、板の間に石が埋め込まれた壁など、山手地区では珍しい洋風の家並みにたどり着いた。

 昭和初期に一帯を所有していた地主が、関西で流行していた建築構造で10軒ほど建て、貸家に。モダンなたたずまいが評判を呼び、サラリーマン世帯などが入居した。郵便物のあて名に「文化住宅」とさえ書けば、各家まで届くほど知れ渡っていたという。特徴ある台形状の屋根は、研究者たちが「尾道屋根」と呼ぶようになった。

 奥家寛子さん(68)は1940年、回漕(かいそう)問屋だった両親、姉の3人と移り住んだ。「あのころは、周りの人からうらやましがられてねぇ。得意な気持ちになったもんですよ」。ほほ笑みながら、半世紀以上前を懐かしんだ。

【尾道百景 坂のまち】
<南斜面>一休み、振り返ると絶景(2002年4月9日掲載)
<健脚の寺>仁王石段 朝から活気(2002年4月10日掲載)
<蓮花坂>古風な街 貫く生活道(2002年4月11日)
<東京物語>郷愁の眺め 名作に命(2002年4月16日掲載)
<酢瓶の垣>路地裏に息づく商都(2002年4月18日掲載)
<御袖天満宮>石段、未完の“一枚岩”(2002年7月31日掲載)
<文化住宅>関西のモダン 山手に(2003年7月2日掲載)
<鏡岩>光る姿に漂うロマン(2003年7月5日掲載)
<山城戸通り>雰囲気醸す 名の響き(2003年7月4日掲載)

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

アーカイブの最新記事
一覧