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【尾道百景 路地のまち】<勧商場>当時の繁盛を知る石段(2002年5月29日掲載)
2020/12/1 21:27
自転車を抱えた男性が、雁木(がんぎ)の跡といわれる石段を下りてくる。一帯を「勧商場」と呼ぶ。今で言う商業テナントの先駆けとされ、1919年ごろ、実業家の大藤忠兵衛が開設した。
当時、石段の上の通りには化粧品店、げた屋、薬屋などが並び、港まちらしく船員の帽子に飾り付けをする店もあった。下の通りには豆屋や菓子店があったという。
「私がここに嫁いできたころも、間口の狭い店がぎっしりと並んでいました」。22歳で結婚して以来、町の移り変わりを見つめ続けてきた藤野ナツ子さん(90)は振り返る。
次第に住民の多くが入れ替わり、「貸し店舗」の札が掛かる店も増えてきた。藤野さん自身も、夫の章三郎さんに13年前に先立たれ、今は一人暮らし。「この辺りじゃあ、私が一番古くなったようです。子どもたちもしょっちゅう来てくれるし、気ままなもんですよ」と笑った。
【尾道百景 路地のまち】
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