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【尾道百景 路地のまち】<丹花小路>出雲参り 語り継ぐ灯(2002年5月31日掲載)

2020/12/1 21:36
江戸期から小路を見守る常夜灯。地域の安全を願う人々の思いが込められている

江戸期から小路を見守る常夜灯。地域の安全を願う人々の思いが込められている

 国道2号を東に向かい、福善寺前から南に石段を上ると、突然古びた常夜灯が目に入る。「文政六年」と刻まれた石造りのオブジェには雨露がくまなく染みわたり、折からの日差しに一層の趣を増した。

 通りの名は、中世に西国寺山の尾根に築かれた丹花城に由来する。大社、日御碕へと続く出雲街道の起点。娯楽の少なかった当時、一帯では参拝客の土産話を酒のさかなとする「出雲講」が流行した。朝鮮半島を発祥とし、蒸した米と酵母を練り合わせる「丹花あめ」もこの地で生まれ、やがて全国に広まったという。

 終戦後の国道整備に伴い、通りは南北に隔てられた。8戸からなる北側の地区では毎年4月、尾道で最も早く、そして最も小さな夏祭りが営まれ、往来が盛んだったころの名残をとどめている。その地区で暮らす主婦横田ミサオさん(75)は「遠い昔から受け継ぐ灯(ともしび)を大切に守り続けていきたい」

【尾道百景 路地のまち】
<石畳小路>臨海 絵になる歴史色(2002年5月28日掲載)
<勧商場>当時の繁盛を知る石段(2002年5月29日掲載)
<丹花小路>出雲参り 語り継ぐ灯(2002年5月31日掲載)
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