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【尾道百景 路地のまち】<鍛冶屋町>看板に鉄と熱の名残(2003年2月6日掲載)

2020/12/2 10:22
尾道の鉄工業の中心地だったころの面影を残す小路。今は鉄工所が1軒だけになった

尾道の鉄工業の中心地だったころの面影を残す小路。今は鉄工所が1軒だけになった

 市役所に近い長江口交差点の手前を西に曲がると、コンクリート舗装の小路が延びる。通る人影は少なく、鉄工所の看板だけが、「鍛冶屋町」と呼ばれた往時の面影をしのばせている。

 江戸時代には名刀工が住居を構えた。昭和初期まで、すきやくわ、いかり、船くぎ、石工のげんのうなどを作る鉄工所街としてにぎわい、子どもたちは冬になると、ふいごの火で体を温めて、学校に通ったという。

 戦中の建物強制疎開で町並みは大きく様変わりし、かつての町を、今は国道2号が貫く。その後も十数件あった鉄工所が次々と移転、廃業し、大義和さん(60)が、父から受け継いだ鉄工所が残るだけとなった。

 大さんは、毎年12月上旬のふいご祭りの夜を思い出す。「露店が並ぶような祭りじゃなかった。それでも、それぞれの鉄工所で宴会を開き、従業員に折り詰めや酒を振る舞った。子ども心にも待ち遠しい日でした」。

【尾道百景 路地のまち】
<石畳小路>臨海 絵になる歴史色(2002年5月28日掲載)
<勧商場>当時の繁盛を知る石段(2002年5月29日掲載)
<丹花小路>出雲参り 語り継ぐ灯(2002年5月31日掲載)
<熊野神社>風刺人形、笑みを誘う(2002年6月4日掲載)
<西京町>汽船から活気陸揚げ(2002年6月6日掲載)
<鍛冶屋町>看板に鉄と熱の名残(2003年2月6日掲載)
<山脇神社>山の変遷 見守る石像(2003年2月13日掲載)
<尻つめり>奇祭 記憶のかなたに(2003年2月15日掲載)

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