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【尾道百景 寺のまち】<西国寺(真言宗)>近世の息遣い物語る(2002年10月29日掲載)
金堂の屋根越しに、室町幕府6代将軍の足利義教によって建立されたとされる、朱塗りの三重の塔がそびえる。深まりゆく秋とともに、境内の樹木が、ほんのりと赤く色づき始めている。
寺には仏像や仏画、仏具、古文書など、約2万点の文化財が残り、一昨年3月から、福山市の県立歴史博物館と徳島文理大の合同調査が続く。春と夏の年2回、文化財学を学ぶ学生ら20〜30人が1週間、尾道に泊まり込んでいる。
この調査で、江戸期の高僧浄厳(じょうごん)の手紙など、当時の寺の様子を伝える古文書や、西国寺が尾道の商家から買い付けたしょうゆやみそなどを記載した雑記帳も見つかった。「当時の尾道の生活模様が見えてくる」と麻生章雄住職(54)。
調査は最低でも10年がかり。「学生たちも、おしゃべり一つせず、真剣な顔。この中から将来の尾道文化を担う人材が育ってくれれば」。麻生住職が願いを込めた。
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尾道市山手地区には、中世から続く古刹(こさつ)25カ寺が点在する。かつては81カ寺が密集していたという寺のまちを紹介する。
【尾道百景 寺のまち】
<西国寺(真言宗)>近世の息遣い物語る(2002年10月29日掲載)
<福善寺(浄土真宗)>ぎょろり竜眼 ええ門(2002年10月31日掲載)
<天寧寺(曹洞宗)>静寂の40分 無念無想(2002年11月5日掲載)
<浄土寺(真言宗)>朝の清掃 心清らかに(2002年11月6日掲載)
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<済法寺(曹洞宗)>拳骨和尚、敬愛の逸話(2003年5月28日掲載)
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