地域ニュース

【尾道百景 寺のまち】<福善寺(浄土真宗)>ぎょろり竜眼 ええ門(2002年10月31日掲載)

2020/12/2 14:22
「ええ門は福善寺」と言い伝えられた山門。欄干の竜がぎょろりとした目で正面を見据える

「ええ門は福善寺」と言い伝えられた山門。欄干の竜がぎょろりとした目で正面を見据える

 石段の上に建つ豪壮な山門が、参拝者を出迎える。9月に屋根瓦のふき替えを終えたばかり。頭上を見上げると、手に宝珠を持った欄干の竜が、今にも、ぎょろぎょろと動き出しそうな大きな目で、真正面を力強く見据えていた。

 「ええ門は福善寺 かたい門は持光寺 能は艮(うしとら)さん」―。かつては、彫りの見事さなどから、尾道の寺や神社を題材にしたわらべことばで、こう言い伝えられた。

 幕末に、寺と京都烏丸大納言とが縁組をした際に建立された。柱や扉などの部材はすべて、当時の京都の職人たちが作り、尾道の大工が組み上げたという。竜のほかにも、生き生きとした唐獅子や、精巧な「鶴の丸」の紋が施されている。

 「昔は、子どもが『ええもんくれ、ええもんくれ』と物をねだると、親は『ええもんは福善寺。福善寺に行ってこい』ととぼけたもんです」。前住職の大田垣正円さん(79)が笑みを浮かべた。

【尾道百景 寺のまち】
<西国寺(真言宗)>近世の息遣い物語る(2002年10月29日掲載)
<福善寺(浄土真宗)>ぎょろり竜眼 ええ門(2002年10月31日掲載)
<天寧寺(曹洞宗)>静寂の40分 無念無想(2002年11月5日掲載)
<浄土寺(真言宗)>朝の清掃 心清らかに(2002年11月6日掲載)
<光明寺(浄土宗)>名横綱に重ねる成長(2002年11月8日掲載)
<千光寺(真言宗)>水道染める夕刻の鐘(200年11月9日掲載)
<常称寺(時宗)>ビルの谷間 唐突に大門(2003年5月23日掲載)
<済法寺(曹洞宗)>拳骨和尚、敬愛の逸話(2003年5月28日掲載)
<浄泉寺(浄土真宗)>再建に100年 迫力本堂(2003年5月29日掲載)

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

アーカイブの最新記事
一覧