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【尾道百景 寺のまち】<常称寺(時宗)>ビルの谷間 唐突に大門(2003年5月23日掲載)

2020/12/2 15:49
ビルと民家に挟まれた大門。650年の歴史を刻み込んでいる

ビルと民家に挟まれた大門。650年の歴史を刻み込んでいる

 商店街東端の路地に入ると、ビルと民家の谷間に、室町時代前期の建立という大門が唐突に姿を現す。本堂とは、国道2号とJR山陽線で分断されている。「寺の場所を知らず、門だけがある風景を不思議がる観光客も多いですよ」と、近くで食料品店を営む高橋妙子さん(67)がほほ笑んだ。

 江戸時代には、中四国九州で最高位の時宗寺院として栄えた。「当時は、門をくぐると、十数カ寺の末寺やいおりが立ち並んでいた。だから、この寺の門を、山門ではなく、大門と呼ぶのでしょう」と、佐藤精善住職(77)が説明する。

 三体のみこしがぶつかり合う三体まわしで知られる祇園社も、明治初年の神仏分離で近くの久保八坂神社へ移るまで、寺域内にあった。大門には、みこしを象徴するともえ紋入りの瓦が残る。

 650年の歴史を刻み込む大門。長い間の風雨で傷みが目立つその姿は、しかし、どこかひょうひょうとした雰囲気を漂わせている。

【尾道百景 寺のまち】
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