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宮島にキャンセルの波 GoTo見直しなど影響、年末年始の需要に不安

2020/12/2 22:47
新型コロナウイルスの「第3波」などを受け、宿泊キャンセルが出ている宮島(廿日市市)

新型コロナウイルスの「第3波」などを受け、宿泊キャンセルが出ている宮島(廿日市市)

 新型コロナウイルス感染の「第3波」と政府の観光支援策「Go To トラベル」の運用見直しを受け、世界遺産の島・宮島(廿日市市)の旅館、ホテルでキャンセルが広がりつつある。秋から宿泊客が回復しつつあったがブレーキがかかった形。東京都と政府が1日夕、「Go To」の都内発着分について高齢者たちに利用自粛を要請したことから今後キャンセルが増える恐れがあり、観光地に不安が広がる。

 「春のような状況に戻らなければいいのですが」。宮島の人気旅館の60代支配人は肩を落とす。

 「第3波」拡大の影響を受けて11月下旬から2日昼までのキャンセルは約220件、約670人分に達した。特に、東京や大阪からの高齢者が旅行を断念する動きが出ているという。「通常はこの時期にキャンセルはほとんどない。それなのに今年はまだ広がりそう。年末年始がどうなるか不安です」

 別の旅館では、11月21日以降で約90件、約300人分の予約がキャンセルされた。「通常は1年前から予約で満室になる年末年始に、キャンセルと空きが出るのは異例」と40代の支配人は打ち明ける。

 宮島の宿泊事業者の多くは、新型コロナの感染拡大で春に臨時休館へ追い込まれた。その後、10月に「Go To トラベル」で東京発着分が追加されたことなどから需要は回復しつつあったが、感染再拡大で再び潮目が変わりつつある。

 さらに政府と東京都は1日夕、65歳以上の高齢者や基礎疾患がある人に「Go To トラベル」の東京発着分の利用を自粛するよう呼び掛けた。

 「基礎疾患がないか、なんてお客に聞けない。要請にどれだけ実効性があるのか。感染拡大地からのGo Toはストップしたほうがいいのでは」とある旅館の幹部は持論を述べる。一方で別のホテルの50代支配人は「Go Toを止められると、多くの旅館の経営が立ちゆかない。なんとか旅行需要を止めないでもらいたい」と訴える。(東海右佐衛門直柄)

 <クリック>Go To トラベル 新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだ観光業界の支援を目的とする政府の事業。国内旅行代金の50%相当を補助する。当初は東京都発着の旅行を対象から除外したが、10月に追加した。その後、感染者が拡大したことを受け政府は11月下旬、札幌市と大阪市に到着する旅を対象から一時除外にし、両市から出発の旅行も自粛を呼び掛けた。さらに今月1日、東京都と政府は高齢者や基礎疾患がある人に都内発着分の利用自粛を求めた。

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