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天守閣復元、木造86億円 広島城有識者会議、市が事業費試算

2020/12/2 22:47

 広島市は2日、地震対策が課題となっている広島城天守閣(中区)について、木造復元と耐震改修した場合の概算事業費を有識者会議に示した。木造復元は約86億円、建物を補強する耐震改修は約1・4億〜9・8億円と試算。有識者会議は本年度内に意見をまとめ、市に提案する。

 【空撮動画】広島城

 木造復元の場合は、国産ヒノキ材を使い、土壁しっくい塗りによる建築工事などで戦前の姿に近い天守閣になる。城の価値が上がり、観光面の貢献も大きいと見込まれる半面、完成までに約20年かかると見込む。

 耐震改修では、柱を切断して免震装置を設置したり、壁や柱を補強したりする工法を想定。財政難の中、木造復元に比べてコストは大幅に抑えられる。補修すれば30年間は使えるが、コンクリートの劣化防止には限界があり、将来的にはいったん解体する必要があるとした。

 この日、市役所であった会議には城郭史や旅行業の専門家8人が出席。「戦前の図面や写真が多く残る広島城のような城は全国的に少なく、価値が高い」などと木造復元への賛成が目立った。一方、事業費が高額となる木造復元には市民の理解が欠かせないとする意見や、費用対効果を検証するよう求める声もあった。座長の三浦正幸・広島大名誉教授(城郭史)は「国の補助金を活用するなど、木造復元の場合の財源確保策についても考えたい」とした。

 現在の天守閣は1945年の米軍による原爆で倒壊し、58年にコンクリート造5階建てで復元された。再建から62年が過ぎて老朽化が進んでおり、市の耐震診断では、震度6強〜7程度の地震で「倒壊、または崩壊する危険性が高い」との結論が出ている。(新山創)


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