コロナ警戒強化を宣言 広島県、新規感染者数など基準値超え PCR拠点5日開設【動画】
広島県は4日、新型コロナウイルスの警戒強化を宣言した。県独自に定めた警戒基準値のうち、新規感染者数など2項目で上回り、入院ベッド(病床)と療養施設の使用率も高まっているという。感染者が増え続ければ行動制限が必要になるとみて、県民や事業者に感染防止策の徹底を要請。特に感染が広がる広島市で5日、高齢者施設や飲食店の従業員たちに限ってPCR検査をする拠点を開く。
県庁で記者会見した湯崎英彦知事は「行動自粛を要請する前に、感染拡大をなんとしても防ぎたい」と訴えた。
PCRセンターは、新型コロナの臨時診療所を置く広島市中区の新天地公園の集会所を転用し、5日から毎日午後1〜6時に開く。クラスター(感染者集団)の発生を防ぐ狙いで、検査は無料。電話予約が必要で無症状でも検査をするが、陰性証明は発行しない。
対象にするのは、広島市内の高齢者施設、障害児・者の施設、医療機関、飲食店の各従業員。従業員の同居家族と、取引で出入りする人にも対応する。施設の入居者や飲食店の客などは利用できない。
別に、車に乗ったまま検体を採取する「ドライブスルー方式」の開設を、市内の1カ所で検討している。
県民には体調が悪い場合は早く受診し、仕事を休むよう勧めた。事業者にはテレワークの目標を定めた上での実施や、感染時に備えて従業員の勤務中の行動を記録するよう要請した。飲食店には飛沫(ひまつ)を防ぐついたてを座席間に設置するよう求めた。
県によると、3日時点で直近1週間の新規感染者数は1日平均23人となり、県独自の警戒基準値(16人)を超えた。入院・療養者数は162人で、基準値(170人)に近づいている。確保済みの病床と療養施設の使用率は37・1%で、政府の分科会が示す4段階の区分で上から2番目の「ステージ3」(感染急増)の指標を上回っている。
県の試算によると、このまま感染者が増え続ければ、今月21日にステージ3相当へ達する。その場合、不要不急の外出自粛▽酒を提供する店舗の営業時間短縮▽観光支援策の利用自粛―などの要請が必要となる可能性があるとしている。
PCRセンターの予約電話Tel080(9937)0003▽070(1543)0351▽080(3544)7962▽080(2548)7816=いずれも毎日正午〜午後6時。(宮野史康)
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