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【週末リポート 山本真帆】トラフグ養殖、赤潮で打撃 下松市笠戸島、8万7000匹が被害

2020/12/5 10:43
赤潮で全滅したいけすのトラフグ(東風浦さん提供)

赤潮で全滅したいけすのトラフグ(東風浦さん提供)

 下松、周南、防府市沿岸で今秋、赤潮が発生し、山口県東部で最大のトラフグの養殖地である下松市笠戸島が大打撃を受けた。稚魚を含む約8万7千匹が死に、ほぼ全滅。今季の出荷だけでなく、来季の見通しも立たない過去最悪の被害となった。地域の特産品としてブランド力を高める取り組みを立て直そうと、稚魚の購入費を募るクラウドファンディング(CF)が始まった。

 ▽予想を超える速さで拡大

 笠戸島の漁師、東風浦(こちうら)秀美さん(53)の頭には、その光景が焼き付いている。9月19日から20日にかけて、茶色く濁った帯状の赤潮が一気にいけすに入り込み、酸欠状態になったフグが次々と白い腹を見せて浮かんできた。「なすすべがなかった」

 県は17日に赤潮警報を出して注意を呼び掛けていたが、予想を超える速さで広がった。東風浦さんのいけすは大城岬近くに5カ所ある。約30センチの成魚と稚魚の計約1万1千匹が一晩で死んだ。生き残ったのは稚魚15、16匹だけ。「今年は夏場の育ちも良く、出荷まであと少しだったのに」と肩を落とす。赤潮警報は10月12日まで続いた。

 県水産研究センター(長門市)は、赤潮を引き起こしたのは有害プランクトン「カレニア・ミキモトイ」と発表した。水面から水深20メートルの間を移動するため、海面の着色を見分けるのが難しいという。赤潮は窒素やリンなど海中の栄養塩や、水温の変化などで発生するとされており、同センターが今回の詳しい原因を調べている。

 ▽被害額7000万円、廃業の危機
(ここまで 636文字/記事全文 1302文字)

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