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はやぶさ2の岩石試料分析 広島大大学院・薮田教授

2020/12/6 23:01
小惑星りゅうぐうの写真を前に、分析に向けた意気込みを語る薮田教授(東広島市の広島大)

小惑星りゅうぐうの写真を前に、分析に向けた意気込みを語る薮田教授(東広島市の広島大)

 探査機「はやぶさ2」が持ち帰った岩石試料の初期分析では、広島大大学院先進理工系科学研究科の薮田ひかる教授(46)=宇宙化学=が、岩石中の有機物を調べる分析チームのリーダーを務める。太陽系の成り立ちや生命の起源の謎を探る重要な役割で、「プロジェクトの最終ランナーとしてバトンを託される。太陽系科学の発展につながる成果を出したい」と決意を新たにした。

 6日、カプセル帰還を確認した薮田教授は「じわじわと実感と感動が押し寄せている。探査機を運用し、帰還を成功させた工学チームに感謝したい」と語った。

 カプセルに入っているとみられる試料は日本に運ばれ、粒子の大きさや重さなど基本事項を記録する作業が実施される。来年6月ごろに始まる初期分析で、手法の異なる6チームによる本格的な解析がスタート。薮田教授はこのうち、有機物の有無や成分を調べる固体有機物チームを率いる。

 分析のマネジメントのほか、自身も放射光を用いた解析作業を担当。小惑星りゅうぐうは太陽系が誕生した46億年前の姿をとどめ、水や有機物が多く存在すると考えられており、「有機物の組成を調べることが、太陽系の進化の過程を解明することにつながる」と力を込める。

 有機物を構成する炭素や水は生命の材料物質でもあり、生命の起源は宇宙にあるのではないか―との仮説の立証が進む可能性もある。分析結果が出るのは、解析を本格的に開始してから約1年後となる。

 薮田教授は米カーネギー研究所の博士研究員だった32歳の頃、米航空宇宙局(NASA)の無人探査機「スターダスト」が持ち帰った彗星(すいせい)のちりの分析に加わり、ノウハウを学んだ。2008年に大阪大助教となり、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の打診ではやぶさ2プロジェクトに初期から参加。りゅうぐうの着地場所の選定などに携わった。

 広島大には17年から在籍する薮田教授。「プレッシャーも大きいが、隕石(いんせき)学者として、早く小惑星の正体が知りたいという興味も大きくなっている」と胸を高鳴らせる。(長久豪佑)

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