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塀の隙間からど根性トマト 呉・広長浜地区

2020/12/10 21:08
ブロック塀の隙間に生える「ど根性トマト」を見上げる住民

ブロック塀の隙間に生える「ど根性トマト」を見上げる住民

 呉市広長浜の住宅のブロック塀の隙間からミニトマトが生え、小さな五つの実を付けている。2018年夏の西日本豪雨で農地が崩れるなどの被害が出た同地区。近所の住民たちは「ど根性トマト」と呼び、たくましく育つ姿を復興を願いながら見守っている。

 先月中旬、通り掛かった近所の松下孝雄さん(67)が、塀から伸びる苗を見つけた。当初は「何の苗か分からず、気にも留めなかった」が、黄色い花が咲き、ついに実を付けた。現在は約40センチまで伸び、実も赤く色づき始めた。

 同地区は豪雨で近くの山が崩れ、かんきつ畑がえぐられるなどした。復旧を目指した農家の男性が今年3月に急逝すると、残された甘夏の木を住民が協力して育て、地域の絆の証しとした。ど根性トマトはその畑のすぐ近く。土地の持ち主の奥本瞳さん(79)は「世話を続けるみんなを励ますかのように生えてきた。不思議な気がするね」と話す。

 近所に住む石田研吉さん(70)は「大災害をもたらした自然が、こうして希望も与えてくれる。力強く生きる姿が励みになる」と実感を込め、地元の小学生を見学に招く考えも温めている。(仁科裕成)

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