原爆資料館など休館へ 広島市、イベント中止・延期も
2020/12/11 23:44
新型コロナウイルスの感染急拡大を受けた11日の広島市の対策本部員会議は、原爆資料館(中区)など不特定多数が訪れる45施設を12日以降、順次休館すると決めた。市主催のイベントも中止または延期する。広島県の集中対策期間(12月12日〜来年1月3日)に市民に外出を減らすよう求めたことを受けた措置。松井一実市長は「切迫した危機を抑え込むため、感染拡大の防止を優先させる」と危機感を強調した。
45施設は、1日当たりの利用者がおおむね500人以上か同規模を集客するイベントを開く施設。原爆資料館は14日から来年1月3日まで休館する。ただし、11日までに事前予約した個人や団体については休館中も受け入れる。
現代美術館(南区)や各区のスポーツセンター、安佐動物公園(安佐北区)なども15日までに休館に入る。キャンセルが難しい催しなどの使用は例外で認める。
対策本部員会議では担当者が市内の感染状況などを説明した。これまでに確認した15件のクラスター(感染者集団)のうち半数以上が12月に発生。9日時点の中等症患者は11人、重症は5人と報告した。市立学校の児童生徒や教職員の感染者は25人で、うち20人は11月下旬以降に感染した。
集中対策では、市民にも年末年始の帰省自粛を要請。市中心部の飲食店に酒類を提供する時間の短縮を求めることも検討する。会議後、松井一実市長は「社会経済活動との両立を目指してきたが、県と連携して感染拡大の防止を優先させる。現状を乗り越えなければ明日はない。市民一人一人の行動に掛かっている」と協力を求めた。(久保田剛)
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