広島県、11日は感染最多112人 広島市65人、今春以来の厳戒 新型コロナ【動画】
広島県内で11日、各自治体が発表した新型コロナウイルスの新規感染者が112人となり、初めて100人を超えた。1日当たりで最多だった9日の77人を大きく上回った。とりわけ広島市で新規感染者の増加傾向に歯止めが掛かっておらず、市は原爆資料館(中区)をはじめとする主な公共施設を速やかに臨時休館にすると決定。この春の「第1波」以来となる厳戒ムードが高まりつつある。
▽公共施設を次々休館
各自治体がこの日公表した新規感染者は、広島市65人、県21人(東広島市7人、廿日市市5人、海田町4人、府中町3人、竹原市と三次市各1人)、福山市20人、呉市6人。福山市の寺岡記念病院で入院患者と職員計15人が新たに陽性となるなどしたものの、クラスター(感染者集団)ではない事例が多くを占め、感染経路が多様化している。
広島市は11日、市幹部による緊急の対策会議を市役所で開き、不特定多数が訪れる45施設を順次休館すると決めた。県が県内で実施する集中対策期間(12日〜来年1月3日)に連動した施策で、原爆資料館は14日から閉じる。市主催のイベントも中止か延期をする。
同様の措置をするのは、「第1波」の広がりで政府が全国に緊急事態宣言を出すなどした春以来となる。松井一実市長は「感染防止を優先し、人との接触機会を少なくして感染リスクを減らす」と強調した。
県によると、広島市内の直近1週間の新規感染者数(10万人当たり)は10日時点で23・16人。11日時点で、政府の分科会が示すステージ4(感染爆発)の指標の一つの25人を超えたとみている。県全体でも感染は急拡大しており、このままでは19日までの1週間の新規感染者数が800人超に達すると見込んでいる。
広島県感染症・疾病管理センターの桑原正雄センター長は「1週間で感染者数が2倍以上に増える危険な状況が続いている。感染経路の分からない人が増え、新たなクラスターにつながる可能性がある」と指摘する。会食から感染したと思われる事例も目立つとして、外出機会を減らすなど危機感を持って行動するよう警鐘を鳴らしている。
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