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「阿品たくあん」熟成の冬 岩国で漬け込み始まる

2020/12/12 21:23
次々と大根を漬け込んでいく生産者

次々と大根を漬け込んでいく生産者

 岩国市阿品地区の特産品「阿品たくあん」の漬け込みが始まった。少子高齢化で年々減っている地元の農家たちが、60年続く伝統の味を守ろうと、丹精込めて作業をしている。

 9日の作業初日は、加工場に15人が集まった。「大きな大根じゃ」などと話しながら、2週間天日に干した大根と、塩やぬか、唐辛子などを混ぜた調味料を1・5メートル四方、地下2・5メートルのタンクに交互に敷き詰めていった。12、13日も漬け込み、計約20トンは来年7月に取り出す。

 じっくり熟成させた阿品たくあんはうま味と独特の酸味が特徴。水分が適度に抜け、パリッとした歯ごたえがある。阿品漬物組合の相川典生組合長(77)は「ことしは少雨で大根の出来がいい。おいしく仕上がってほしい」と期待を込めた。

 相川組合長によると、鉄分を多く含む赤土が豊富な阿品地区は根菜類がおいしく育つ地域とされる。昭和30年代、甘みが強い大根に付加価値をつけて売り出そうと、地元農家たちが同組合を設立。平成の初めまで毎年40トンほどを仕込んでいたという。

 少子高齢化が進み、全盛期は20戸あった生産農家もいまでは6戸。5年程前からは近くの南河内地区の有志の手を借りて大根の栽培や漬け込みをしている。相川組合長は「昔ながらの手法で、手間暇かかった他にはない味。ずっと守り続けていきたい」と話している。(坂本顕)

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