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希望の職場探し、特別支援校が奮闘 コロナ感染対策し検定

2020/12/12 21:23
広島特別支援学校で、ほうき種目の検定を受ける生徒(手前)

広島特別支援学校で、ほうき種目の検定を受ける生徒(手前)

 新型コロナウイルスの影響で雇用情勢が悪化する中、県内の特別支援学校が生徒の就労支援に奮闘している。感染対策をしながら仕事の適性を見つける技能検定をしたり、就職支援教員(JST)が実習・就職先を探したり。希望をかなえるための奔走が続く。

 広島市安佐北区の広島特別支援学校では11月26日、1〜3年の7人が清掃の技能検定に挑んだ。合間に教諭がほうきやちりとりを消毒。生徒はそれぞれ、丁寧に床のごみをはいた。

 検定は、知的障害がある高等部の生徒を対象にした県独自の制度。5分野11種目で1〜10級がある。ほうき種目を受けた2年山下和将さん(16)は「掃除や袋詰めの作業が好き。頑張って1級を取りたい」と話す。

 通常は各種目で年2回検定をしているが、コロナ禍の今年は1回だったケースもある。矢野清美高等部主事(52)は「チャンスが減った分、生徒はじっくり取り組んだ」と説明する。

 就職活動にもコロナの影響が出ている。同校高等部では、知的障害がある3年生のうち8人が就職を希望しており、5人が11月末までに内定を得た。ただ、例年は4月から就職を見据えて企業で実習をするのに、今年は臨時休校で6月中旬以降になるなどスケジュールが遅れている。

 生徒は1年の時から適性や企業との相性を探って就職先を考えて3年時の実習に臨むが、業績悪化で実習を断られて就職先を探し直すケースもあるという。同校JSTの川手栄二さん(60)は「情報収集と企業へのアタックを繰り返し、何とか生徒の希望する仕事をさせたい」と力を込める。

 県内には県立で16校、広島市立で1校の特別支援学校がある。県教委によると、各校とも同様にコロナ禍での就労支援に力を注いでいるという。

 県内の特別支援学校の就職率は2020年3月の卒業生で38・0%となり、9・8%で全国最下位だった06年3月と比べて28・2ポイント上がった。県教委特別支援教育課は「卒業生は、働きぶりの評判が良い。今年も各校の努力で就職率を維持したい」としている。(赤江裕紀)

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