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感染者急増、現場に焦り 広島県内、病床使用率6割超続く

2020/12/15 22:56

 広島県内の新型コロナウイルスの感染者が急激に増えたため、感染者向けの病床の使用率が連日6割を超えて、余裕がなくなりつつある。入院や療養先の調整も追い付かず、自宅などで待機する感染者が過半数を占める。県が病床などの拡大を急ぐ一方、病院からは、感染者向けの医療体制を整える難しさを訴える声が上がる。

 県によると、14日時点で入院しているのは197人で、感染者を受け入れている県内20病院302床のうち65・2%が埋まったという。11月25日からの20日間でみると、入院者数は4倍に膨らんだ。病床使用率は今月7日以降、60%以上が続く。重症者も1カ月足らずでゼロから15人に増え、重症者向けの病床28床の半数を使っている。

 県はこれまで、軽症や無症状でも自宅療養とせず、ホテルで過ごしてもらう方針を取ってきたが、それも滞り気味になってきた。入院・療養先の調整が付いていない感染者がこの10日間で急増。14日には452人に上り、感染者の6割を超えた。

 県健康対策課は「重症化の恐れがある人は、診察を待たずにすぐに入院できている」と説明する。しかし「特に感染が急拡大した広島市で、入院か宿泊施設での療養かを決める診察が間に合っていない」と明かす。

 入院を受け入れる広島市内の病院の医師は「この状況はまずい。調整中の急変もあり得る」と語気を強める。自宅待機をしているうちに家族に感染が広がるリスクもある。広島市と県は、受け入れ先を決めるための診察をする医療機関を増やし、「調整中」の人を減らそうとしている。

 県は感染者向け病床のさらなる増加も急ぐ。中等症や重症が増え、入院期間が長くなる傾向があるからだ。県は今のところ、最大で病床約500床、療養室約700室まで確保できるとする。これらのフル稼働を視野に入れ、県内の病院に病床の上積みの打診も続ける。

 ただ、病院からは「病床は用意できてもスタッフが足りなければ、患者は診られない」「これ以上受け入れると一般診療に支障が出る」などと、切実な声が上がる。広島大病院感染症科の大毛宏喜教授は「今後も患者が増えることを想定し、早めに準備する必要がある。多くの医療機関が少しずつ負担を分け合うことが望ましい」と話している。(衣川圭、田中美千子) 

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