地域ニュース

GoTo、キャンセルの波 中国地方の観光地や旅行業者

2020/12/15 22:56
「Go To トラベル」の年末年始の停止が決まり、宿泊予約客のキャンセルが広がっている宮島

「Go To トラベル」の年末年始の停止が決まり、宿泊予約客のキャンセルが広がっている宮島

 政府が観光支援事業「Go To トラベル」の年末年始の停止を決めたことを受け、中国地方の観光地や旅行業者にキャンセルの波が広がっている。新型コロナウイルス「第3波」で旅の自粛ムードが広がりつつあったところ、今回の措置で一気に流れが加速した。本来、稼ぎ時の年末年始の需要はしぼみ、宿泊業者からは「壊滅的」との悲嘆の声も漏れる。後手に回った政府の対応に批判の声もある。

 ▽観光地/宿泊業者「壊滅的」

 「どんどんキャンセルが続く」。世界遺産の島・宮島(廿日市市)のホテルの60代支配人は頭を抱える。

 14日夜に全国一斉停止が発表されてから15日朝までに144人分がキャンセルされた。28日から来月11日までの停止期間に約1800人分の予約があるが「8割がキャンセルされそう」。今回の措置による減収は4千万円以上に達する可能性があるという。

 「Go To」は、政府が地域共通クーポン分も含めて50%相当を補助する。多くの宿泊事業者にとって事業停止は手痛い。

 宮島のホテル「みや離宮」は来年1月に数日の臨時休館をする検討を始めた。宮島の観光客数は回復傾向にあっただけに、土居裕明支配人は「ジェットコースターががくっと落ちた感じ。年末年始は壊滅的です」とこぼす。

 政府の対応に批判的な声も出ている。数日前まで、GoTo事業が「感染拡大につながっているというエビデンス(証拠)はない」との姿勢だったからだ。年末年始に満室だった予約が1割キャンセルされた山口市湯田温泉の梅乃屋の佐伯嘉章社長は「感染者が増えている今、停止は仕方がないと思うがもう少し早めに決めてほしかった」と述べる。

 福山市鞆町で「鴎風亭」など4施設をグループで運営する鞆スコレ・コーポレーションの村上正高社長(71)は「お客さんは、旅を中止するか様子見の状況」と説明し、「早く感染を収束させ、GoToを再開してほしい」と訴える。

 ▽旅行会社・商店街/いら立ち・落胆

 旅行会社も対応に追われている。ニューワールドツーリスト中国観光(広島市南区)では、15日朝からキャンセルの電話が相次いだ。年末年始は予約が約100件あったがほとんど取り消される見込みという。

 感染者が急増する広島市発着の旅行を全国に先行して除外するよう求める広島県の動きも波紋を呼ぶ。同社では広島県独自の補助とGoToの併用で県内旅行の予約が伸びてきた。藤岡正昭企画課長は「帰省を控え、近場で過ごす家族連れに人気だったのに」と残念がる。

 別の同市内の事業者も「広島市が先行除外されるかどうか分からず、時期も未定なので既に入っている予約の動きが読めない。早くはっきりしてほしい」といら立ちを示す。

 商店街でも落胆が広がる。広島本通商店街振興組合の高田諭副理事長は「GoTo効果で商店街の客が増えていたので、一時停止は大きな痛手」とため息をつく。(東海右佐衛門直柄、森岡恭子、菅田直人、東聡海) 


【関連記事】

コロナ、300人超が診察待ち 入院か療養かの判断、患者急増に追いつかず 広島市内

広島市中心部の飲食店協力金、休業は82万円 広島県、午後7時酒提供終了で72万円

Go To停止「遅すぎ」 政府の対応、批判が大半

在宅勤務へ再シフト 広島県、出勤者半減目標を提示

広島県は72人感染、2人死亡 15日の新型コロナ

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

同じ日のニュースの記事
一覧