【回顧2020 中国地方から】<3>日鉄閉鎖方針 消える鉄の灯 揺れる呉
2020/12/16 22:12
呉湾に突き出した敷地は約143ヘクタール、マツダスタジアム62個分に相当する。赤茶色の建屋がひしめき、煙突から白い水蒸気がたなびく日本製鉄(日鉄、東京)瀬戸内製鉄所呉地区。前身の日新製鋼時代などを含めて約70年、呉市の産業を象徴する存在だった大工場群の閉鎖方針が明かされた2月7日、地元には衝撃が走った。
2021年9月末をめどに中核設備の高炉を休止、23年9月末をめどに全面閉鎖すると日鉄が発表。協力会社などを含めて約3300人が働く職場の消失が、従業員や家族をはじめ、地域に及ぼす影響は計り知れない。納入業者、飲食店、小売店…。新型コロナウイルス禍にもあえぐ地元経済に、さらなる暗雲が垂れ込めた。
▽協力会社含めて300人が退職
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