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広島・尾道沖の海自艇衝突事故、艇長居眠りで「適切に指導せず」 国の運輸安全委が報告書

2020/12/18 0:46

事故後、えい航されるのとじま。右舷後部が大破している(2019年6月27日午後0時25分)

 尾道市高根島沖で昨年6月、海上自衛隊舞鶴地方総監部の掃海艇のとじま(519トン)と貨物船が衝突した事故で、国の運輸安全委員会は17日、のとじまの艇長(33)が居眠りし、操船していた当直士官(43)を「適切に指導していなかった」とする調査報告書を公表した。無線で互いの針路を確認しなかった双方の確認不足が原因と結論づけた。

 事故は昨年6月26日午後11時55分ごろ、高根島沖北東の青木瀬戸で発生し、のとじまの右舷後部と貨物船ジェイケイIII(699トン)の船首部が衝突。両船の乗組員にけがはなかった。

 報告書によると現場の青木瀬戸は海上衝突予防法で定める狭い水道に当たる。右側を航行し、左舷側を見せてすれ違うことになっている。だが両船は水道の中央付近を通り、のとじまが左に針路を変えたことで衝突したと分析。双方が無線で互いの位置関係や針路を確認していれば事故を防げた可能性があるとした。

 のとじまの艇長は指揮所の「艦橋」で居眠りし、衝突直前の汽笛で目を覚ましたという。当直士官は右側の海が浅くなっているのを不安に感じて左にかじを切る旨を伝えたが、居眠りに気づかず操船を続けた。

 尾道区検は今年4月、業務上過失往来危険罪で当直士官を略式起訴し、尾道簡裁が罰金20万円の略式命令を出した。艇長と貨物船の航海士を不起訴とした。

 大破したのとじまは修理に約11億円を要することなどから退役となった。海自トップの山村浩海上幕僚長は「国民に不安を与えたことを重く受け止めている。再発防止に全力を挙げる」とコメントし、艇長の処分は「検討中」とした。(桑原正敏)


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