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みかじめ料授受2件摘発、双方に罰則へ広島県条例改正後 県警「氷山の一角」

2020/12/17 21:14

広島県警本部

 暴力団が飲食店などに不当に金銭を求める「みかじめ料」の授受について組員と店側双方に罰則を新設した改正県暴力団排除条例が4月に施行され、広島県警は広島、福山の両市で二つの事件を摘発した。いずれも数年前から授受が続いていたとみられ、県警は氷山の一角とみる。条例には自主申告した店側の罰則の減免規定もある。新たな条例の規定を活用して捜査を進展させられるかが県警に問われる。

 初摘発の事件は、広島市中区の流川・薬研堀地区の風俗店を巡って発生。6月にみかじめ料11万円を授受したとして、指定暴力団共政会正木組の組員の男と経営者の男性を同条例違反の疑いで6、7月に相次いで逮捕した。

 経営者男性は不起訴処分となったが、組員の男は起訴された。公判では約10年前からみかじめ料を毎月受け取っていたと認め「店で客ともめたり、けんかになったりした時に助けるための金。持ちつ持たれつの関係だった」と明かした。広島地裁は11月に懲役6月の実刑判決を言い渡した。

 さらに今月、県警は福山市松浜地区で用心棒代や営業を認める対価として性風俗店から5万円を受領したとして指定暴力団浅野組光定組の組員の男を同条例違反容疑で逮捕。捜査関係者によると、男は数年前から毎月受領していたという。県警は風俗店経営者からも任意で事情を聴いている。

 みかじめ料は暴力団の資金源とされる。流川・薬研堀地区では2012〜13年、支払いを断った風俗店の関係者が共政会傘下の組員に襲撃されるなどの事件が相次いだ。今年1〜2月には、中区の店に要求したとして県警が共政会組員の男2人に暴力団対策法に基づく中止命令を出した。捜査4課は「暴排の流れが強まり資金源が細る中、みかじめ料の要求は今も続いている」と警戒する。

 広島弁護士会の民事介入暴力問題対策委員長の福永孝弁護士は「摘発を広げる鍵は申告に対する罰則の減免規定。真実を話してもらうため規定の積極的な運用が必要」とする。同課は「報復を防ぐため情報提供者の保護対策を徹底する。みかじめ料を断る盾として条例を使い、関係を断ち切ってほしい」と強調。情報収集に力を入れる。(暴力団取材班)

 <クリック>改正県暴力団排除条例 指定暴力団の共政会傘下の組事務所が集まる広島市中区の流川・薬研堀地区、浅野組と〓道会傘下の組事務所がある福山市の松浜地区、尾道市の久保地区を「暴力団排除特別強化地域」に指定。この地域内で営業する店が組員にみかじめ料を渡した場合、組員と店側に1年以下の懲役または50万円以下の罰金を科す。店側が組員にもめ事を解決してもらうなどの「用心棒の役務の提供」を受けた場合も対象となる。

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