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院内感染拡大止まらず 福山市の寺岡記念病院でコロナクラスター

2020/12/19 10:03
寺岡記念病院の入り口に掲示された新型コロナ感染を知らせる張り紙(18日)

寺岡記念病院の入り口に掲示された新型コロナ感染を知らせる張り紙(18日)

 ▽8日間で54人 退院患者も

 福山市新市町の寺岡記念病院で発生した新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。18日までのクラスター(感染者集団)は54人に達した。市保健所の追跡調査は、感染した職員と接触のあった外来患者や退院患者にも広がり、収束は見通せない。市北部を中心とした基幹病院だけに、急患の受け入れなどの機能停止が長期化すれば、近隣の医療機関の負担はさらに増す。

 院内感染が判明した11日から15日の間、市保健所と同病院は接触者の調査を進め、延べ約600人の検査を実施。入院患者や職員計27人の感染を確認した。その時点で、市保健所はほぼ全ての入院患者と職員の検査が済んだとしていた。

 ところがその後、陰性だった入院患者と職員が発熱などを訴え、再度の検査を実施。16日以降、陽性が判明するケースが相次いだ。

 職員に新たな感染者が見つかったことで、接触のあった関係者はさらに増えた。また、退院した患者の感染も確認されたことから、市保健所は他の退院患者にも調査を拡大。全体の調査対象者は600人以上に上るという。

 田中知徳保健所長は17日の会見で「接触者をリストアップしてできるだけ早く調査を進めているが、収束には時間がかかる」との見解を示した。

 クラスターの発生を受け、同病院は、入院が必要な救急患者の受け入れや外来診療を停止。同病院と共に輪番で急患を受け入れる府中市民病院は11〜17日、計16件の急患を受け入れた。前年同期は計5件で、約3倍に膨れている。

 また、寺岡記念病院は、所属する府中地区医師会の休日当番医でも他の医療機関の2倍の回数を受け持っており、抜けた穴は大きい。同医師会の内藤賢一会長(66)は「地域医療を先頭で支えている病院。今は大きな混乱は起きていないが、長期化すれば影響は計り知れない。早く収束してほしい」と願った。(菅田直人) 


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