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志賀直哉旧居、宙に浮く活用 「暗夜行路」構想の地、尾道観光協が顕彰を模索
志賀直哉(1883〜1971年)が「暗夜行路」の構想を練った、尾道市東土堂町の旧居の活用が宙に浮いている。市が尾道観光協会から借りて文化施設として運営していたが、来場者減で3月に閉館。来年に没後50年が控える中、アクセスの悪さや運営に必要な人員の不足のため、所有する同協会は施設を閉鎖したまま将来像を打ち出せずにいる。
大正初期の1912〜13年に過ごした木造平屋の長屋。同協会が今月上旬、現状確認を兼ねて清掃した。奥の6畳と3畳の和室や縁側、床を拭き清めた。樋本健二事務局長は「床下などは別に調べる必要があるが、外見上は問題ない」とほっとした様子だった。
旧居は同協会が79年に取得し、市が86年から建物を借りて文化施設としていた。しかし千光寺山の中腹にある旧居は主要観光ルートから外れ来場者数は近年低迷。修繕コストもかさむため、市は閉館を決めた。
▽市は市有化に難色…
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