コロナで入院待ち、自宅療養の男性死亡 基礎疾患も 広島市【動画】
新型コロナウイルスに感染した広島市の60代男性が14日、入院の待機中に自宅で亡くなっていたことが20日、分かった。広島市と広島県などによると、男性は複数の基礎疾患があり、家族は早期の入院を希望していた。感染者の自宅待機中の死亡は県内では初めて。
県と市はこの日、市役所で会見を開き、経緯を説明した。感染が分かった男性は、14日に県立広島病院(南区)を受診。せきや倦怠(けんたい)感の症状があったが、自分で歩ける状態であることなどを踏まえてその日の入院は見送られ、いったん帰宅した。同日深夜に自宅で死亡し、15日朝に家族が発見したという。
男性は10日に別の感染者の濃厚接触者としてPCR検査を受け、12日深夜に陽性と判明。市が13日に連絡した時点で既に、発熱や血痰(たん)の症状があった。心筋梗塞や糖尿病の既往歴があり、入院が必要かを確かめてもらうため、14日に県立広島病院で診察を受けた。15日の入院に向け調整していたという。
県健康福祉局の木下栄作局長は「結果を重く受け止めている」としながら、即日の入院を見送った病院の判断については「適切かどうかを答えるのは難しい」と述べた。亡くなった14日はエックス線やコンピューター断層撮影(CT)などの画像診断をしていなかったが「医師が総合的に判断し、翌日の入院後に行う予定だった」と説明した。
入院を翌日からとした判断については「あくまで患者の状態で判断したと考える」とし、感染者向けの病床がひっ迫していることの影響を否定。「必要な人が速やかに入院できる体制はとっている」と強調した。
県と市は男性の死亡を15日に把握していたが、公表は20日と遅れた。市の阪谷幸春・保健医療担当局長は「遺族への経緯説明などをしていた」とした。遺族から早期の公表を求められるなど抗議を受けていたことも明らかにした。(明知隼二)
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