地域ニュース

仕事掛け持ち、やむを得ぬ選択 中国地方「解禁」27.8%、長時間労働の懸念も

2020/12/21 0:34

 仕事を掛け持ちしてスキルやキャリアを磨き、やりたいことにチャレンジする―。副業といえば、そんな前向きなイメージを持つ人が少なくないだろう。ただ、世はコロナ不況。副業ニーズが高まりを見せる中で、危うい実情も見え隠れする。

 それは、人材サービスのエン・ジャパン(東京)が7〜9月に実施した全国調査からもうかがえる。回答した約6300人のうち半数が「副業を希望」し、理由(複数回答)は「収入アップ」が断トツの1位。5人に1人は「失業したときの保険」と答えている。

 長引くコロナ禍で収入と雇用が揺らぐ。苦境をしのぐ手だてとして、副業がいきおいクローズアップされているようだ。

 政府も2018年、働き方改革の一環で、副業の推進にかじを切った。それまでの「原則禁止」から「原則容認」に変更。ガイドラインもまとめた。人口が減り、労働力はいっそう限られてくる。一人一人の能力を複数の職場でいかんなく発揮してもらい、経済の成長につなげていく―。そうした自由度の高い働き方として期待がかかる。

 18年は「副業元年」と呼ばれ、大手メーカーや旅行会社が「解禁」した。ところが、その後の伸びは緩やかで、解禁した企業は全国で30%ほど。中国地方でも東京商工リサーチ広島支社の10月の調査によると27・8%にとどまる。

 最も懸念されるのが、副業に伴う長時間労働だ。仕事が増えて休めなくなったり、職場が複数にまたがるためにその人の働き方全体を見通した労務管理が難しくなったりする可能性がある。ほかにも、社員の転職を招かないか、他社に情報や技術が流出しないか、企業のためらいは拭いきれていない。

 半面、副業を認めている企業は、人材の確保や社員の人脈の広がりなどをメリットに挙げる。副業という働くスタイルにどう向き合っていけばいいのか。働き手も企業もいまだ模索の中にある。


この記事の写真

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

アーカイブの最新記事
一覧