地域ニュース

幸せ度上がるかが大切 福山市が進める「副業モデル」の共同研究者・法政大大学院の石山恒貴教授(56)

2020/12/21 0:37

 副業はどんな効果を生むのか。注目したいのが、福山市の取り組みです。

 民間企業で働く会社員たちに副業として、市の「戦略推進マネージャー」を担ってもらっている。採用された人は、本業ではできない経験を積めてキャリアの形成にもつながる。市にとっては外部の発想やノウハウを施策に組み込めます。市職員だけでやり切ろうとする「自前主義」の打破です。

 一方で、コロナ不況に促される副業はどうでしょう。ダウンした収入を補うのも副業のありようですが、ネガティブな働き方だと思います。過重労働にもなりかねません。

 仕事を掛け持つのなら、無理なくできるかどうかが大切です。モチベーションや幸せ度がどれだけ上がるか。その結果として、企業や組織の業績アップも期待できるのです。

 そもそも副業は、働く上での選択肢を広げるものです。何が何でも、誰もがしなければということではありません。やりたい人がやる。副業したいときにできる。選べる環境が整っているかどうかで、働きやすさが変わってきます。

 得てして、副業は限られた人の働き方に思われがちです。能力やスキルがないとできない、と。そうではなく、もっと広い視点で見つめてほしい。働きながらボランティア活動をしたり社会人大学で学んだり。その一歩先にあるのです。別の企業と雇用契約を結ぶだけではない。ライターや講座の講師…。フリーランスを条件に副業を解禁している企業もあります。

 ただ、副業を解禁するというのは、実はおかしな話です。就業時間外は基本的に何をしてもいい。企業が社員を縛り、社員は企業に尽くす慣習からそろそろ抜け出さないと。社会貢献したいなど、若い世代の価値観も多様化しています。

 コロナ禍でテレワークが広がりました。いつ、どこでも働ける。うまく組み合わせると副業もしやすくなるはずです。企業もコミュニティー。いくつかの職場に関わることで、人生もより豊かになるかもしれません。

 <福山市の「副業限定」戦略推進マネージャー>2018年度、民間企業に勤務する社員を対象に兼業・副業限定で、市の人口減少対策を立案する人材として公募した。首都圏などの男女5人を採用。市役所で月4日ほど働き、2年間活動した。20年度も新たな人材を採用している。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

アーカイブの最新記事
一覧