地域ニュース

【詳報・案里被告第29回公判】弁護側の最終弁論<4>

2020/12/24 0:09

(4)高山県議および元付き人の証言について

 両名の証言には、被告と克行被告が意を通じていたとも解釈できる内容が含まれているので、以下のとおり検討する。

ア 高山県議の証言について

 高山県議は、第18回公判において、克行被告から現金30万円の交付を受けたこと、それを被告が訪ねてきたときに返そうとしたが、被告は特に驚いた様子もなく「人格が違う」と言って受け取らなかったこと、被告において、同県議が返そうとした中身が現金であることや、克行被告がなぜその現金を同県議に渡したのかを分かっていたと思うことなどを証言した。

 まず、同県議の証言を検討しても、単に、被告において封筒の中身が現金だと分かっていたとか、克行被告が何のために持ってきたのか分かっていたと思うという結論を述べるにすぎず、そのように思った根拠となるような被告との会話ないし言動などの具体的な内容に乏しく、あくまでも同県議が受けた印象というレベルを超えるものではない。

 そもそも、前記のとおり、検察官においても、克行被告による同県議に対する現金供与を克行被告の単独犯として起訴し、被告との共謀を認定していないのであるから、上記のような同県議の証言が克行被告と被告の事前共謀を裏付ける証拠とならないと考えていたことは明らかである。その意味で、この点に関する検察官の立証は自己矛盾とのそしりを免れない。

 被告としては、国会議員である克行被告が、同県議と、被告が把握していない付き合いをしている場合もあり得、同県議に対し陣中見舞いや当選祝いを差し上げていたとしてもおかしくないが、それはあくまで克行被告と同県議との間のことであるので、克行被告との間で処理してもらいたいという趣旨で、自分と克行被告とは「別人格」であるという表現を用いてその受け取りを断ったにすぎないのであって、事前に克行被告との間で同県議に対して現金を渡すことについて何らの意も通じてはいなかったのである。

 以上のとおり、同県議の証言は、何ら被告と克行被告との共謀を裏付ける証拠とはなり得ない。

イ 元付き人の証言について

 元付き人は、第20回公判において、被告から被告らの自宅マンションの居室まで上がって来るように言われて被告方居室まで行ったところ、同所において克行被告から封筒を渡され、その後、封筒の中身を見たら現金10万円が入っていた、被告にはそのことを伝えてはいないが、現金の交付については克行被告と意思の疎通があると感じられた旨を証言した。
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