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【ウエーブ】シンガー・ソングライターのHIPPYさん(40)=広島市安佐南区出身

2020/12/25 4:59
おりづるタワー屋上の展望スペースで「日々のハーモニー」を歌うHIPPYさん。冨恵さんもここで証言会を開きたい思いを持っていたという(撮影・山崎亮)

おりづるタワー屋上の展望スペースで「日々のハーモニー」を歌うHIPPYさん。冨恵さんもここで証言会を開きたい思いを持っていたという(撮影・山崎亮)

 ▽ヒロシマ継承、歌に乗せ

 ♪身近な今ある幸せ 気付こう 築こう 素晴らしい この街の景色 立ち上がった故郷に ありがとう

 7月にリリースした新曲「日々のハーモニー」は、原爆で焼け野原になり「75年草木も生えない」とも言われた広島の再起を歌い上げる。家族を失い、復興へ歩んだ被爆者や、平和をかみしめる若い世代の思いを歌詞に紡いだ。作詞者は、自分自身とあの人の連名だ。冨恵洋次郎さん。「むっちゃ好き」な彼の詩を引用した。

 広島市中心部のバーで10年以上、毎月6日に被爆者を招き証言会を続けた冨恵さんは3年前、37歳で他界した。人柄に魅了され、自分は20代から証言会へ通った。最期を迎える直前の病床で「続けてほしい」と託された。

 決心して継いだものの、当初は精いっぱいで「作業」へ陥った苦い経験がある。直前にある証言者と一緒に会場へ移動していた時だった。「打ち合わせしましょう」。歩きながら話し掛けると、「何言ってるの」ととがめられた。頭を殴られたような気がした。証言者は、つらく思い出したくない半生をあえて語ろうとする人たちだ。立ち話で済ませようとした自らを猛烈に恥じた。自分の祖父も生前、入市被爆した体験を一切話してくれなかった。
(ここまで 515文字/記事全文 1130文字)

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