飲食店や市民「打撃大きい」「仕方ない」 広島県の酒提供時短要請 効果に疑問の声も
広島市中心部の酒を出す飲食店に対し、県が営業時間の短縮などを要請する期間を来年1月17日まで延長すると決めた29日、飲食店や市民に「仕方ない」「打撃が大きい」などさまざまな受け止めが広がった。
営業時間を午後8時までとする時短要請に応じている中区立町の大衆酒場やぶき。矢吹勇紀代表(40)は「夜にスーツ姿の会社員は来店しなくなり、忘年会はゼロだった。期間が延長されれば新年会の予約も期待できない」と肩を落とす。
県の新型コロナウイルスの集中対策期間は当初、来年1月3日までの予定だった。期間の延長に伴い、県は休業する店に54万円、時短営業する店に44万円の協力金を追加支給する。矢吹代表は「コロナ禍で利益を出すのは難しく、手厚い支援。ただ、限られたエリアの店だけが対策しても効果があるか疑問だ」と話す。
時短営業に協力する中区流川町の居酒屋「とり八 本店」は、来客数が例年の2割に減っている。上瀬将代表(50)は「大打撃。従業員への給料支払いを考えると休業より時短でも営業した方がよい」と、今回も県の要請に応じるつもりだ。
一方、前回に続き区域から外れたJR西広島駅周辺(西区)。焼き肉店「焼肉 いち」には「夜は何時まで開いていますか」と尋ねる電話がかかるようになり、来客数も少し増えたという。市川博也オーナー(35)は「お客さんが増えると店内の『密』を気にする人もいる。区域外なので協力金はもらえず、自分で稼ぐしかない」と複雑な思いを明かす。
市民は期間延長に一定の理解を示す。安佐南区の会社員女性(30)は「感染者が増えているし、時短要請の延長は必要」と言う。ただ、集中対策期間中もお気に入りの居酒屋には顔を出している。「食べに行くことで、少しでも店の助けになりたい」(浜村満大、藤田龍治、黒川雅弘)
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