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「仮住まい」なお2134人 西日本豪雨2年半で広島・岡山・愛媛
2018年7月の西日本豪雨で各地に甚大な被害が出てから6日で2年半になる。被害の大きかった広島、岡山、愛媛の3県で計934世帯の2134人が、いまだに仮設住宅などでの「仮住まい」を続ける。被災者の仮住まいは長期化し、砂防ダム整備などの復旧・復興事業も完了していない。
広島県内では、12市町の71世帯162人(20年12月1日現在)が仮住まいを続ける。内訳は、建設型応急仮設住宅が5世帯10人▽民間アパートなどを自治体が借り上げる「みなし仮設住宅」が47世帯108人▽公営住宅などへの一時入居が19世帯44人。
世帯数は20年1月から400世帯(84・9%)減った。坂町で4月、呉市では8月に、被災者向けに整備した災害公営住宅への入居が始まったことなどが主な要因とみられる。市町別では、呉市が最多の16世帯。三原市12世帯▽広島市、東広島市、坂町の3市町が11世帯―と続く。
3県で最多は岡山の652世帯1531人(一部を除き同11月末現在)。浸水被害の起きた真備町地区のある倉敷市が多い。愛媛県は211世帯441人(同11月末現在)。両県では現在、災害公営住宅の整備が進められている。
仮設住宅やみなし仮設住宅などに入居できる期間は原則2年。ただ、自宅周辺の復旧工事が終わっていない被災者たちの入居期間は延長されている。
今後の災害を防ぐための砂防・治山施設の整備も進む。広島県内では、12市5町の計301カ所に砂防・治山ダムなどを設ける緊急整備事業で、20年11月末現在、完了したのは192カ所(63・8%)となった。種類別の内訳は、砂防ダムや崖崩れ対策などの砂防事業199カ所のうち139カ所(69・8%)と、治山ダムや山腹の工事などの治山事業102カ所のうち53カ所(52・0%)。県砂防課は「本年度中に9割以上が完了する見通し。被災者の生活再建のためにも、引き続き早期完了を目指したい」としている。(石井雄一)
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