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【エンジョイ! スローライフ】<上>かやぶき屋根のカヤ取引 北広島のNPOや芸北中が「市場」【動画】

2021/1/9 22:05

住民が持ち寄ったカヤを受け取り、並べていく芸北中の生徒たち

 今年の干支(えと)の丑(うし)にちなむ牛には、悠々と大地の草をはむおおらかな印象がある。そんな牛のイメージを踏まえ、県西部の中山間地域や島で、自分のペースでゆったりと、環境に優しい暮らしである「スローライフ」を送っている人や団体を訪ねた。

 ▽草原の荒廃止め 経済貢献も

 「1束ずつ運ぶんよ」「1万2千石になります」―。昨年12月中旬、広島県北広島町芸北地域の旧雲月小体育館に、にぎやかな声が響いた。かやぶき屋根に使う丈の高い草「カヤ(ススキ)」を取引する「茅金(かやきん)市場」だ。

 認定NPO法人西中国山地自然史研究会(同町)や芸北中でつくる実行委員会が年1回開く。住民が刈って持ち寄るカヤを地域通貨「せどやま券」で買い取り、かやぶき職人や個人に売る。山里の身近な自然資源を活用して多様な生物が暮らす環境や景観を守り、地域経済を回す試みだ。

 市場は、住民が長さ180センチ以上のカヤを直径約20センチの束にまとめて持ち込み、芸北中の生徒や教員が受け付けを担う。同地域の商店などで使えるせどやま券との交換レートは3束ごとに千円分(千石)だ。

 同町北西部に位置する芸北地域はかつて、かやぶき屋根の民家が多く、集落には「茅畑(かやばた)」と呼ばれるススキ原があった。トタンや瓦屋根が普及して使われなくなるとススキ原は森になり、草原の植物や昆虫が減った。町内にはかやぶき屋根の民家や文化財が残るが、ふき替える際のカヤは県外産も使っていた。

 草原の荒廃に歯止めをかけ、地域経済の活性化に役立てようと、同NPOや同中、町教委が連携して2015年度に市場を始めた。本年度は計約600束が集まった。同中2年山脇歩子さん(14)は「身近にあるカヤが資源として役立つ。自然を守り、地域を支える取り組みを広げたい」と話した。(山田太一)


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