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広島県、三次・庄原で防災ヘリの燃料備蓄 給油拠点に戻る手間省く
広島県は、防災ヘリコプターの給油拠点になっている広島空港(三原市)と広島ヘリポート(広島市西区)から離れている三次、庄原両市内の計3カ所で燃料備蓄を始めた。山林火災などの長時間飛行の際、現地付近で燃料を補給することが可能になり、給油拠点に戻るロスを減らす。ヘリ出動が相次いだ2018年の西日本豪雨を受けて対応を強化した。
広島県内には、県と広島市の防災ヘリが各1機、広島空港と広島ヘリポートに常駐している。2拠点から三次、庄原両市への飛行時間は片道約15〜20分。現地での飛行時間が長くなりがちな山林火災や遭難者救助で燃料が減った際、給油拠点まで往復する間に活動が止まっていた。
県が燃料を備蓄する拠点は、三次市の三次消防署と庄原市の庄原、東城消防署。昨秋から200リットルのジェット燃料が入ったドラム缶を3カ所に計11本配備している。備北地区消防組合(三次市)と県防災航空隊は昨年12月、三次市の中心部の馬洗川河川敷で給油訓練を実施。ドラム缶から手回しポンプを使ってヘリコプターに給油した。
山口県は同様の取り組みを02年から始めた。現在は下関、萩、岩国市など県内8カ所で備蓄する。県防災危機管理課は「防災ヘリの拠点がある山口宇部空港(宇部市)からの移動ロスを減らすため、00年のヘリ配備から間を置かず各地で備蓄を始めた」と説明する。岡山県は3カ所、鳥取県は5カ所で備蓄する。島根県は出雲空港(出雲市)と萩・石見空港(益田市)、隠岐空港(隠岐の島町)の3カ所に給油拠点がある。
広島県は1996年、広島市は90年から防災ヘリを運用している。遠隔地備蓄を始めた理由について県防災航空センターの西川秀敏センター長は「西日本豪雨のように対応が長期に及ぶ災害では、近隣他県のヘリの応援も受けた。県内のどこでヘリ出動が必要になっても効率的に対応できる体制の必要性を認識した」と説明している。(高橋穂、石川昌義)
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