吉川元農相を在宅起訴 収賄罪、アキタ側から500万円
吉川貴盛元農相(70)=自民党を離党=が鶏卵生産大手「アキタフーズ」(福山市)グループの秋田善祺元代表(87)から大臣在任中に計500万円を受領したとして、東京地検特捜部は15日、収賄罪で吉川元農相を、贈賄罪で秋田元代表をそれぞれ在宅起訴した。アキタ社関係者や農林水産省幹部らへの聴取を進め、職務に関する賄賂に当たると判断した。
関係者によると、2人は特捜部の任意聴取に授受を認める一方、吉川被告は「大臣の就任祝いだと思った」などと賄賂性を否定。秋田被告も「業界のために提供したが、何かの依頼やお礼のために渡したことはない」と供述している。
吉川被告は在宅起訴を受け「自分の認識を裁判所にしっかりと説明し、公正な判断を仰ぎたい」とのコメントを出した。
秋田被告については広島地検が、元法相の河井克行被告(57)=公選法違反罪で公判中=と吉川被告の政治資金パーティーを巡る政治資金規正法違反罪でも在宅起訴した。
起訴状によると、吉川被告は家畜を快適な環境で飼育する「アニマルウェルフェア(AW)」の国際基準への反対意見を取りまとめるなど、業界に便宜を図ってもらいたいとの趣旨を知りながら、秋田被告から2018年11月21日に東京都内のホテルで200万円、19年3月26日と同8月2日に大臣室でそれぞれ200万円と100万円を受け取ったとされる。最初の授受は吉川被告が国会でAWについて答弁した当日で、農水省はその後国際機関に反論書を出した。特捜部は現金には、AW対応の謝礼や日本政策金融公庫の貸付条件緩和を求める趣旨もあったとしている。
この他にも計1300万円の授受があったとされるが、特捜部は職務権限が伴わないとして立件を見送った。
秋田被告は19年2月に河井被告の政治団体が主催した政治資金パーティーで234万円を、同8月にあった吉川被告のパーティーで300万円を、アキタ社社員ら16人の名前を使い、名義を偽装して支払ったとされる。
吉川被告は昨年12月22日に衆院議員を辞職。心臓病に伴う手術を受け、東京都内で入院中とみられる。特捜部は議員会館などを家宅捜索し、逃亡や証拠隠滅の恐れがなく、身柄拘束の必要はないと判断したもようだ。
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