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津和野への郷土愛、創作の原動力 安野光雅美術館の名誉館長「一つの時代終わった」

2021/1/16 23:24

「繪本 平家物語」を前に安野さんへの思いをはせる中島名誉館長

 「本当にショック。一つの時代が終わった」。安野光雅さんの原画や風景画など約4千点を収蔵する島根県津和野町立安野光雅美術館の中島巌名誉館長(87)は、唇を震わせた。

 安野さんは小学生まで過ごした地元に強い郷土愛を抱き、昨年には作品3千点余りを町に寄贈するなどした。2017年まで毎年欠かさず帰郷し、地元の青野山などをスケッチしていた。昨年1月の電話が最後の会話に。「もう一度津和野に帰るのを楽しみにしていた。かなわなかった」と肩を落とした。

 同美術館は01年3月20日、安野さんの75歳の誕生日に開館した。津和野の町並みに溶け込む木造建築で、安野さんのアトリエや母校の小学校の教室を再現。開館当時の旧津和野町長だった中島さんは「古里への思いが込められ、美術館自体が先生の作品」と表現する。

 町は昨秋、安野さんの長男からの提案で、美術館の寄託作品を一括で取得した。大半が寄贈で、代表作の「繪本 平家物語」など147点だけを購入。価格は町の試算7億5千万円の1割以下の6540万円だった。昨年12月には名誉町民に選定したばかりで、下森博之町長は「地域振興に多大な貢献をいただいていた。残念でならない」と冥福を祈った。(根石大輔)

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