協力金大幅減、飲食店「痛い」 広島市の準宣言地域見送り
政府が広島市を新型コロナウイルス対策で緊急事態宣言に準じる地域にしなかったことを受けて17日、市民や協力金が大幅に減ることになった飲食店に戸惑いが広がった。「感染者の減少」を根拠とした判断にも、疑問の声が上がった。
営業時間の短縮に応じる飲食店などへ126万円を支給すると広島県が14日に示したばかりの協力金は16日夜になって84万円へと縮小した。「見込みと数百万円違ってくる。相当痛い」。広島市内の店で要請に応じる決断をしたラーメン店「我馬」運営のアースフード(西区)の小林史和社長(44)はこぼした。
「国も県もどうしたらいいのか分からないのではないか」と不安がったのは、中区本通で営む居酒屋を昨年12月17日から休んでいる西英貴さん(39)。「誰もが納得できる対策を打ち出せていない」と受け止めた。
中区袋町のうらぶくろ商店街振興組合事務局長の村井由香さん(53)は、飲食店と他業種の間で「格差」が目立ってきたと指摘。コロナ禍で客が減る中、協力金の有無が事業存続の判断を分けているとみる。
協力する飲食店の取引先に検討された最大40万円の一時金もなくなった。市内の酒卸会社の中堅社員は「飲食店は生き残れても関連業者はつぶれてしまう」と支援を求めた。
市民は迷走する国県の姿勢に疑問を呈した。佐伯区の会社員井口郁丸さん(59)は「感染者数は、これから増える可能性もあるのに」。中区の大学2年北尾遥さん(20)は「緊急事態宣言がないから外出している。市民への要請ももっとはっきり示して」と話した。
市の阪谷幸春保健医療担当局長は「再び感染が急拡大する可能性があり、予断を許さない状態は続く。市民一人一人の行動に掛かっている」とあらためて呼び掛けた。(山本祐司、石井千枝里、久保田剛)
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