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広島市、一部ごみ市外へ 焼却場火災2週間続く、市民に「減量を」
広島市安佐南区伴北のごみ焼却施設「安佐南工場」のごみをためるスペースで火災が続いているのを受け、市が、周辺自治体に依頼して可燃ごみの処理を始めたことが21日、分かった。火災は7日の発生から2週間がたち、代わりにごみを受け入れている2カ所の焼却施設も満杯になる恐れがあるという。設備の一部も破損して復旧には数カ月かかる見込みで、市は市民にごみの減量を求めている。
可燃ごみを運びこんでいるのは、広島県坂町にある安芸地区衛生施設管理組合の安芸クリーンセンターと、廿日市市のはつかいちエネルギークリーンセンター。それぞれ18日と21日から、安芸区と佐伯区の家庭から出る可燃ごみの一部を搬入している。
市のごみ焼却施設は、安佐南工場(処理能力1日400トン)と中工場(中区、同600トン)、南工場(南区、同300トン)の3施設。安佐南工場は大型ごみ以外の受け入れを停止し、可燃ごみなどは別の2施設に振り分けている。
しかし、火災から2週間がたち、この2施設も徐々にごみをためるスペースが埋まってきているという。市施設課の高橋泰治課長は「ここまで長期に施設が使えなくなるのは想定外。市の焼却能力の3割が失われた状態だ」と危機感を示す。さらに別の自治体への協力依頼も検討する。
周辺自治体などに支払う焼却委託費については「交渉中」として明らかにしていない。
安佐南消防署によると、火災は、ごみピットと呼ばれる縦18メートル、横38メートル、深さ28メートルのスペースで発生。出火当時、容量の8割の約2370トン分入っていた。日中と夜間の2交代で上部から放水しているが、「高熱で溶けて固まったプラスチックやビニールごみなどの下に火種が残っており、効果的な放水が難しい」という。
20日午前までに消防車延べ236台、消防隊員延べ875人が出動。ごみを持ち上げるクレーンが焼けるなど施設の一部にも被害が出た。住民から心配の声も上がる。安佐南工場の西約400メートルに住む越智健二さん(70)は「市から現状などの具体的な説明もない。排出される煙の影響が不安」とこぼした。(猪股修平、石井千枝里)
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