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「新宿ロフト」を支援 呉の昴珈琲店がオリジナルブレンド提供「知らない音楽に出合う味」
新型コロナウイルス禍で打撃を受けた東京・新宿の老舗ライブハウスを支援するプロジェクトに、コーヒー豆販売の昴珈琲(すばるコーヒー)店(呉市)が、オリジナルブレンドを提供する形で参加する。関係者の依頼に応えた背景には、「音楽とコーヒー」の味わい深い共振があったという。
支援の対象は1976年開業の「新宿ロフト」。前身の「烏山ロフト」(71〜75年)時代も含めて日本のライブハウスの草分けで、サザンオールスターズやBOOWY(ボウイ)もステージに立った。ミュージシャンの登竜門ともいえる存在だが、コロナ禍でライブは軒並み中止や延期に。前例のない苦境にある。
存続を願う関係者たちがプロジェクトに乗り出し、販売収益を支援に充てる「ドネーショングッズ」を検討する中、目に留まったのが、コーヒー業界のネットサイトで紹介されていた昴珈琲店だった。呉土産「海軍さんの珈琲」で知られる同店の社長細野修平さん(53)は、大の音楽好き。サイト上のインタビューでは、ドリップバッグコーヒーの包装をCDジャケットに例え、目指す店のイメージを「メジャーよりかっこいいインディーズバンド」と語っていた。担当者から「グッズに採用させてほしい」と打診があった。
パンクロックを愛好する細野さんは大学進学で上京した80年代後半、都内のライブハウスをはしごしたが、ロフトは「伝説過ぎて」気後れし、行けなかったという。「声を掛けてもらって光栄」と快諾。ロフトのロゴ入りコースターとセットでの販売が決まった。
細野さんは、ロフトのイメージに合うブレンドを決める中でも「音楽とコーヒー」の共振を実感した。「どちらも、頭でっかちにならず視覚以外の感覚で味わう」。先方にも試飲してもらって決めた味は、苦みに芯の強さがあり、「知らない音楽に出合うような感じ」に仕上がったという。
ロフトのスタッフでプロジェクトを担当する樋口寛子さん(44)は「試飲したメンバーにすごく好評で、支援者の皆さんに届けられるのがうれしい」と話す。専用サイト(https://wizy.jp/project/553/)で27日まで購入希望を受け付け、3月下旬からの発送を予定する。(道面雅量)
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