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青山クラブ、活用定まらず 呉市購入2年半、老朽化進み/大幅な改修補強必要

2021/1/24 21:45
赤い壁が特徴の青山クラブの中庭で、河崎さん(右端)から施設の説明を受ける宮原高生たち

赤い壁が特徴の青山クラブの中庭で、河崎さん(右端)から施設の説明を受ける宮原高生たち

 旧海軍ゆかりの施設、青山クラブ(呉市幸町)と隣接する桜松館の保存・活用の方法が、市の購入から約2年半たった今も定まっていない。いずれの建物も老朽化が進み、活用には大規模な改修が必要。市民たちを対象にしたニーズ調査では意見が割れており、市は、慎重に計画づくりを進めたいとしている。

 青山クラブは鉄筋3階地下1階の延べ約1万900平方メートル。1903年に呉海軍下士卒集会所として建設され、増改築を経て36年に現在の建物となった。戦後、英連邦軍が駐留。58年から海上自衛隊の厚生施設となり、2017年まで使った。桜松館は鉄筋2階地下1階の約1900平方メートル。青山クラブと同時期に建設・改築され、閉鎖前は海自呉音楽隊の練習拠点だった。

 観光振興などを念頭に活用を目指す市が18年7月、2施設と土地約8500平方メートルを約2億円で国から購入。当時は施設全ての保存・活用を基本に複数案が示され、20年度に改修設計、21年度に着工を予定していた。

 だが、耐震診断で2施設とも、活用には大幅な改修補強が必要と判明。市は20年3月、市民や建設関連業者、観光客たちを対象にニーズ調査し、活用方法ではカフェやレストラン、呉の歴史展示施設、宿泊施設、音楽ホールなど多岐にわたる案が寄せられた。望ましい使用範囲も、全部、一部、解体・新築などと意見が分かれた。

 市企画課は「一帯の回遊性を高める観点から、JR呉駅周辺開発や大和ミュージアム改装の状況も踏まえつつ、もう少し時間をかけて検討したい」とする。

 施設の保存・活用を願う市民たちは、定期的に周辺を清掃し、見学会の案内もボランティアで担う。今月20日には地元の宮原高生約40人が敷地内を見学。近くに店を構える「制服のフジ」の河崎圭一郎さん(46)たちが、内部にボウリング場や宿泊施設があった頃のにぎわいなどを説明し、「若い世代から将来像を提案してほしい」と呼び掛けた。

 河崎さんは「このまま放置すればさらに老朽化し、どうすることもできなくなる。なるべく早く方向性が示されるよう行政に投げ掛けたい」と話した。(杉原和磨)


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