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交通事業者も新型肺炎拡大に警戒 中国地方(2020年2月19日掲載)

2020/2/19 22:22
アルコール消毒液が配備されたつばめ交通のタクシー

アルコール消毒液が配備されたつばめ交通のタクシー

 新型コロナウイルスによる肺炎(COVID=コビッド=19)の拡大を受け、中国地方の公共交通事業者が警戒を強めている。タクシーやバス運転手の感染が相次ぐ中、独自の対策マニュアルの作成や車内へのアルコール消毒液の配備などの動きが広がる。マスクや消毒液が品薄で手に入らず、対応に苦慮する事業者もいる。

 タクシーやハイヤー事業を手掛けるつばめ交通(広島市東区)は、医療機関の助言を受けて対策マニュアルをまとめた。手袋の着用▽こまめな水分補給▽乗客が降りるたびに窓を全開にして3分ずつ換気―などを運転手に徹底。全車にアルコール消毒液を置き、繰り返し車内に吹き掛けてペーパータオルで拭き取るよう指示する。これらの取り組みは21日から開始する。

 体に触れずに赤外線で体温を測る温度計も新たに購入し、点呼時に運転手の体温チェックを始める。同社営業部の佐々木義則部長(55)は「通院で利用する人も多い。公共交通機関として、できる限りの対策を講じる」と話す。

 東京都や沖縄県でタクシー運転手の感染が相次ぎ明らかになり、業界は一気に危機感を強めた。広島県タクシー協会(西区)は14日、マスク着用と手洗い・うがいの徹底を乗務員に指導するよう求める通知を209の加盟社にファクス。山口県タクシー協会(山口市)も110の加盟社に注意喚起を重ねている。

 奈良県ではバス運転手の感染も判明した。広島バス(広島市中区)は1月末から路線バス、貸し切りバスなど全車両で運転手のマスク着用を始め、乗客に理解を求める案内文を車内に掲示。岩国観光バス(岩国市)も全車両にアルコール消毒液を置き、乗客にも利用を促す。

 JR西日本広島支社では運転士に加え、駅員や車掌もマスクを着用。各駅に英語など4カ国語の案内文を張り、理解を求めている。新幹線各駅や宮島口駅(廿日市市)には、乗客が自由に使えるアルコール消毒液も備え付けた。

 ただ、マスクもアルコール消毒液も品薄状態が続く。タクシーやバスの事業者から「防ぎようにも打つ手がない」「そもそも何をすれば正しいのか分からない」との声も漏れる。政府は、公共交通事業者にマスクを優先的に供給できるよう検討を進めている。(田中美千子、宮野史康)

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