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米軍機騒音、島根西部で急増 中国山地、訓練活発化か
島根県西部で米軍機によるとみられる騒音が2020年度に急増していることが、防衛省が設置した騒音測定器のデータ分析で分かった。「騒々しい街頭」に相当する70デシベル以上の騒音回数は、浜田市と益田市で12月までに前年度の1年間を上回った。米軍岩国基地(岩国市)に空母艦載機の移転が完了する直前の17年度以降で最も多い。中国山地の上空で米軍機の訓練が活発化している可能性がある。
中国四国防衛局が公開している岩国基地周辺と広島県西部、島根県西部の33カ所の騒音測定データのうち、17年度からの変化を定点観測で比較できる19カ所を独自に集計した。
70デシベル以上の騒音は20年4〜12月、浜田市旭町丸原で587回、益田市匹見町道川で155回を記録した。前年度をそれぞれ103回、23回上回り、過去4年で最多となった。
両測定地点は米軍の訓練空域「エリア567」内にある。浜田市の月別は4〜9月は8〜50回だったが、10月は1日だけで96回の観測を含む計185回と急増。益田市も11月以降、大幅に増えた。広島県西部では北広島町西八幡原で716回を記録。18年度の668回を超え、19年度の875回に迫る。
19カ所のうち騒音の最多は基地に最も近い岩国市三笠町の3602回。12月時点では前年度を1968回下回っている。
岩国基地では18年3月、厚木基地(神奈川県)から空母艦載機約60機の移転が完了し、所属する米軍機は倍増した。20年度の艦載機は5月以降、東京・硫黄島で実施する陸上空母離着陸訓練(FCLP)などで岩国を離れた後、空母ロナルド・レーガンとともに洋上に展開。11月の岩国への帰還と前後して他の軍用機を含めた飛行が増えたとみられる。
島根県西部での訓練の実態を尋ねる取材に対し、基地報道部は保安上の理由で飛行運用の詳細は説明できないとしつつ「騒音が地元の方々に引き起こす不都合は遺憾に思う。岩国に拠点を置く部隊は騒音の軽減を求める声を認識し、尊重している」と回答した。(永山啓一)
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