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現場物語 新型ロードスター開発 <2> マツダ 1グラム単位で軽量化図る(2005年4月13日掲載)

2021/2/1 10:43

 「次期モデルは人馬一体の魅力が失われるだろう」。3代目ロードスターの開発がスタートした2001年以降、多くの評論家による辛口の批評が自動車雑誌に並んだ。厳しい見方の根拠は、車の基本部分を一回り大型のスポーツカーであるRX―8と共用にするという情報にあった。軽快な運転感覚に、重量増は「致命傷」になる。

 ひと足早く03年に発売されたRX―8の重量は約1300キロ。ロードスターの2代目は1100キロ弱で、その差は200キロ近い。貴島孝雄主査ら開発陣も、ロードスターにRX―8の部品は「大きく、重すぎる」と感じていた。「評論家の見方をいい意味で裏切ろう」。開発陣は奮起した。

 走行安全性や生産効率を高めるため、RX―8の車台をベースに開発する基本方針は打ち出されていた。最新の衝突安全性や排ガス対策を採用して排気量もアップ。サイズは従来の5ナンバーから3ナンバーに大きくしながら、軽快感を維持するために重量は20キロ増以内が求められた。米フォード・モーターの技術陣のリーダーの一人は言い放った。「志は素晴らしい。だが実現はミラクルに近い」

 開発が本格化した03年以降、車台のほとんどをロードスター専用に設計し直した。それでも重量増は62キロに達していた。さらに特殊な鋼材やアルミなど軽量素材を取り入れた。だが、若者が買える価格設定にはコストの制約も大きく、開発陣は軽量化か価格か、ジレンマに直面した。貴島主査は提案した。「1グラム単位で軽量化案を出してほしい」。それが「グラム作戦」だった。

 ねじの構造に至るまで計500件の提案が出た。「この場所に穴を開けて強度は保てるか」。主要部品を手に議論を重ねた。「軽さが価値を生む車。妥協は許されなかった」と貴島主査は振り返る。

 今年2月、三次市のテストコースを走ったテスト車の重量は2代目の約10キロ増。同じ2000CCのオープンスポーツカーとして評価の高いホンダ「S2000」より約100キロ以上も軽かった。

【現場物語 新型ロードスター開発】
<1>「人馬一体」追い続ける
<2>1グラム単位で軽量化図る
<3>デザインに日独の感性
<4>ファンの声受けて設定

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