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赤れんが「旧亀山発電所」価値見直す動き 県道拡幅で取り壊し予定 広島

2021/2/4 16:53
取り壊される見込みとなっている旧亀山発電所。赤れんがの活用を求める意見などが出ている

取り壊される見込みとなっている旧亀山発電所。赤れんがの活用を求める意見などが出ている

 広島市安佐北区可部町の赤れんがの洋風建築物「旧亀山発電所」が市の県道拡幅工事に伴って取り壊される見込みとなり、歴史的な建造物としての価値を見直す動きが広がっている。一部の地域住民は、赤れんがの活用に向けて会員制交流サイト(SNS)で建物の魅力などを発信することを計画。建物の保存を求める声も出てきている。

 旧亀山発電所は1912年に建設された太田川最初の水力発電所で総れんが造り。現在は所有する太田川漁協が事務所として使う。新たな市立安佐市民病院の来年春の開業を見据えた県道拡幅エリアに重なっているため、市は漁協に対して解体と事務所の移転を求めている。

 住民有志が地域を取材して写真投稿サイトのインスタグラムで情報発信する「カベリズム」は、壊される可能性がある現状を踏まえ、地域の象徴的な建物として歴史や造りを取り上げる予定でいる。主要メンバーの一人である呉服店員入江允英(まさひで)さん(40)=同区可部=は「赤れんがの使い道が議論されないまま解体されるのはもったいない。問題提起したい」と話す。

 今月1日には、かつて旧亀山発電所の近くに住んでいた同区の70代男性が取り壊し反対と、保存を訴える要望書を市に提出した。市が解体を求めている方針が明らかになって以降は、明治期建造のレトロな雰囲気の外観を写真に収めるために訪れる人が目立つ。

 市教委や県教委もこれまで古い建築物の代表例として冊子などで紹介してきた。市は「太田川の発電事業の歴史を知る上でも貴重な建物」とする一方で、「道路の拡幅工事に向け、粛々と準備を進める」と漁協に解体を求める方針に変わりがないとする。

 漁協の山中幸男組合長(74)は「愛着のある建物なので、赤れんがや窓などを使って何かを残したい。活用の議論を深めていく」と話している。(重田広志)


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