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書の大作8時間かけ幅6メートル、最優秀に輝く 総文祭で舟入高3年森本さん「墨一色で自分の世界」
2021/2/6 23:46
舟入高(広島市中区)書道部の3年森本奈々子さん(18)が、全国高校総合文化祭(総文祭)の書道部門で最優秀の文部科学大臣賞を受賞した。書道部門の最優秀は広島県内で初めて。6歳から書道を始めた森本さんは「夢のよう。続けてきてよかった」と喜んでいる。
受賞作は、平安期の宮廷歌人の中務(なかつかさ)の歌集を、歌人で僧侶の西行(1118〜90年)が書き写したとされる「中務集」の臨書。森本さんは「力強い筆致に引かれた」と、収められた和歌226首のうち約100首を選んで50回以上も臨書し、約8時間かけて幅6メートルを超える大作に仕上げた。
昨夏に高知県であった総文祭の大半は、新型コロナウイルスの影響でウェブ開催となった。森本さんも現地に行けなかったが、全国約300点の中から最優秀に選ばれた。顧問の小波石昭枝教諭は「書道の基本である小筆を使い、粘り強く、時間をかけて良い線を出せたことが受賞につながった」とみている。
幼稚園で開かれていた書道教室に興味を持ち書道を始めた森本さん。書道部では部長を務め、部活動と書道教室には計週4日通っている。「墨一色で自分の世界を表現できる。書道はもう生活の一部です」
1月29日には市役所を訪れ、松井一実市長に受賞を報告した。大学進学と航海士を目指す森本さんは「書道は続ける。(臨書ではなく)自分で創作できるよう努力したい」と意欲を見せた。(猪股修平)
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